不動産の各種法令、条例の話

  • 「加賀市伝統的建造物群保存地区保存条例  

橋立町 ( 北前船主、船頭などの屋敷が多い地域。現在も、北前船主・船頭の往時の繁栄を伝える豪壮かつ伝統的な主屋が32 棟、その他の付属屋等が75 棟残されています。 )

北前船の船主・船頭・船乗りの居住集落としての歴史的風致を保存する、橋立町の地区内で、①建築物等の新築、増築、改築、移転又は除却 ②建築物等の修繕、模様替え又は色彩の変更でその外観を変更することとなるもの ③宅地の造成その他の土地の形質の変更 ④木竹の伐採 ⑤土石の類の採取 ⑥水面の埋立て の行為等を行う時は事前に許可 ( 申請の加賀市長宛て、加賀市教育委員会宛て ) が必要です。

許可基準は、建築物の場合 (2階建以下) 、敷地、構造、色彩、屋根、下屋庇、台所張り出し、出入口、外壁、窓、基礎、犬走りなど細部について、許可基準が設けられています。 (工作物、環境整備物件、その他についても同様です)

  •  風致地区 

加賀市では、現在、4箇所(万松園風致地区、阿児山風致地区、大堰宮風致地区、山中風致地区)の場所が風致地区に指定されています。山中風致地区(第1種風致地区と第5種風致地区あり)以外は第5種風致地区となっています。これらの風致地区内で建物を新築、改築、増築などや、宅地造成、土地の形質の変更、木竹の伐採、土石類の採取、水面の埋立て又は干拓、建築物等の色彩の変更などを行う場合は石川県知事の許可が必要となります。山代温泉の風致地区などは、一般住宅が多く建築されている地域に風致地区が隣接しています。面積の少ない土地等の場合は、建ペイ率などに対しての注意が必要です。

  • 加賀市景観計画区域

加賀市では自然と歴史・文化が織りなす美しい景観を形成することを目標として、平成23年4月に加賀市景観計画区域を策定しました。詳しい区域については、加賀市役所建設部建築課の窓口にて確認できます。

○景観整備地区/橋立、大聖寺、山中温泉(南町、湯の出町、宮の杜、湯の本町)、山代温泉湯の曲。全ての建物について届け出が必要。

○景観形成地域/海岸景観系、沿道景観系、加賀温泉郷エリアなど。高さが10Mを超える、又は建築面積が200㎡を超える建築の場合などは届け出が必要。開発行為の場合は3,000㎡を超えるもの。

○景観計画区域/市全域。高さが13Mを超える、又は建築面積が1,000㎡を超える建築の場合などは届け出が必要。開発行為の場合は10,000㎡を超えるもの。

建築物、工作物等を計画する場合は各景観整備基準をご確認ください。

  • 加賀市の農地/農地法

田舎暮らしを希望される方の中には、農業をやってみたいと思われている人も多いようです。しかし、農業資格のない人が農地を農地のまま購入することはできません。購入予定の土地の地目が一部でも「田」や「畑」となっている場合には、加賀市の農業委員会を通じ、石川県知事による農地法第5条による転用許可を受けなければ、農業資格を持たない人は土地売買の取引はできません。(土地の地目が雑種地や山林、原野の場合は農地転用許可の手続きは必要ありません。)

加賀市では毎月10日が農業委員会の締め切り日ですが、石川県知事の許可が下りるまでは約2カ月ほどかかります。加賀市内の一部の農業振興地域内の土地は、原則、農地転用許可も受けれません。また、農業振興地域外の農地であっても公益性の高い施設でないと農地転用許可が下りない集団農地などもあります。また、土地面積が1,500㎡ を超える場合は、都市計画法に基づき開発行為の許可も必要となります。

農地は売買金額も低く、安易に考えがちですが、困難な事も多く、地元の生産組合、農業用水、土地改良事務所といった関係者などの同意が必要です。転用目的によっては地元の同意を得られない場合もあります。手付金などを支払う場合には、万一、農地転用許可が下りない場合には売買契約を白紙にする等の特約事項が必要です。

  • 加賀市の埋蔵文化財

加賀市内には現在、800以上の埋蔵文化財包蔵地が確認されており、工事の対象地が埋蔵文化財包蔵地やその周辺の場合には、加賀市教育委員会との事前の協議が必要です。また、1500㎡以上の土地の場合は、都市計画法に基づく開発行為申請、加賀市教育委員会職員立会いのもとでの埋蔵文化財の試掘調査などが必要となりますので、土地売買契約前によく確認しておくことが重要です。

  • 加賀市の角地緩和要件

加賀市の角地緩和(建ぺい率+10%) 要件は下記のとおりとなっています。

(1) 120度以内の角を構成する2つの道路(幅員の和が10メートル以上のものに限る。)の内側に接する敷地で、それぞれの道路に接する部分の長さがそれぞれ敷地の周囲の長さの8分の1以上であり、かつ、それぞれの道路に接する部分の長さの和が敷地の周囲の長さの3分の1以上であるもの

(2) その境界線の相互間の距離が25メートル以内である2つの道路(幅員の和が10メートル以上のものに限る。)の間にあってこれらに接する敷地で、それぞれの道路に接する部分の長さがそれぞれ敷地の周囲の長さの10分の1以上であり、かつ、それぞれの道路に接する部分の長さの和が敷地の周囲の長さの4分の1以上であるもの

(3) 公園、広場、水面その他これらに類するものに接し、又は道を隔てて面する敷地で、前2号に掲げるものに準ずるもの

※加賀市建築基準法施行規則より抜粋