平成20年1月1日より、改正借地借家法が施行され、10年以上50年未満の期間で事業用借地権を設定することが可能になりました。従来の事業用定期借地権は10年以上20年未満でありましたが、「空白期間」が埋まったことで、今後は貸主・借主双方の目的に応じた期間の設定が可能となりました。貸主(土地所有者)にすると、土地を貸しやすくなり(土地の有効活用など)、借主にすると、長期間の建物存続を前提とした資金計画や事業計画を立てることが出来るようになりました。
事業用借地権の内容を確認し、条件面などについてよく検討されることが重要です。
(用途地域によっては、建築できない場所もありますので、ご注意下さい。)
事業用借地権とは下の表のように存続期間は10年以上50年以下で、専ら事業用の建物所有を目的とした借地権のことです。 (居住用に供してはならない。) |
存続期間 | 10年以上50年未満 |
利用目的 | 専ら事業用に供する建物に限る。 (建物の一部でも居住用に供してはならない。) |
特 徴 | ①30年以上50年未満の期間については、同じ期間で普通借地権を設定することができ、その場合には、1.契約の更新があり、2.建物を再築した場合には存続期間が延長され、3.期間満了時には建物買取請求権が行使できるといった保護が与えられることになります。そこで、30年以上50年未満の期間で事業用借地権を設定する場合には、 当事者間の特約により、借主に対してこれらの保護が与えられない旨を定めることができることとし、この特約の有無により事業用借地権と普通借地権を区別することになりました。この規定は、一般定期借地権と同様です。②10年以上30年未満の期間については、そもそも設定できる借地権が事業用借地権だけなので、特約の有無によって、定期借地権と普通借地権とを区別する必要がありません。単純に、法律上、契約の更新等に関する規定を排除すれば十分です。この規定は改正前の事業用借地権と同様です。③なお、公正証書による契約が必要なのは従前と変わりません。 |
契約書面 | 事業用借地契約は、『公正証書』とすることが要件 |
契約書記載要件 | タイトルや目的に「事業用借地権」である旨、明示 |
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借主にすると、条件面(賃料等や投資する資本等の回収、採算等)について採算が合えば、 土地を購入して出店する場合よりは、金利等の負担が少なく、固定資産税などの土地の税金の負担もないので、 土地を購入する場合より土地を借りる場合の方が、出店し易いと思います。以前の事業用借地権は、契約期間が他の借地権から比べて短かかったので、 コンビニや外食産業などのような業種等に限定されていましたが、今後はいろいろな形態に対応していけるのではないかと思います。ちなみに貸主側のメリットは、10年以上50年未満の期間で借地権が終了・建物を買取る必要がない ・居住権の問題が発生しないようになっている、 などが上げられます。 |
このペ-ジは、国土交通省の資料などを参考に作成致しました。 |